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猫組曲 -「4匹の猫」「もう3匹の猫」

更新日:5月18日

Cat Suite     Ⅰ. Kraken   Ⅱ. Black Sam   Ⅲ. Borage   Ⅳ. Mr. Jums

Three More Cats Ⅰ.Flora  Ⅱ. Tubby Mousetrouser   Ⅲ. Homepride

                     C. ヘイゼル Chris Hazell  (1948- )


-Introduction-

「4匹の猫」(Cat Suite)はブラスアンサンブルの金字塔、フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブル(Philip Jones Brass Ensemble / PJBE)の委嘱作品であり、特に彼らのアンコール・ピースとして大変な人気を博していた。

「ミスター・ジャムズ」「ブラック・サム」「バーリッジ」の3曲がまず作曲され(”3匹の猫 ”(Three Brass Cats)として出版)、追って「クラーケン」が ”もう1匹の猫”(Another Cat)として作曲・出版されたのだが、現在は作曲者ヘイゼル自身がここまでの4曲をまとめて「4匹の猫」と認識していることから、本稿でもこれに従う。

一方、「もう3匹の猫」(Three More Cats)はPJBEの後継として活動したロンドン・ブラス(London Brass Virtuosi)の委嘱作品である。

これらから成る「猫組曲」は、ブラスアンサンブルのレパートリーとして最大のヒット作の一つとなったのだった。


■フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブル

✔ブラスアンサンブルの金字塔、金管奏者のアイドル

1951年結成、1986年解散のイギリスのブラスアンサンブルで、その存在は伝説的を超え神格化されていると言っても過言ではないだろう。特に1970年代から1980年代初頭の全盛期にこのアンサンブルの放った輝きは、唯一無二のものである。

1974年の初来日から5度の来日公演を果たして人気を博したが、こうしたワールドツアーも相俟って後続のブラスアンサンブル(カナディアン・ブラス、ジャーマンブラス、東京ブラスアンサンブル、上野の森ブラスアンサンブルなど多数)の隆盛にも大きな影響と指針を与えた。高い技術と音楽性を備えた名手を揃え、フィリップ・ジョーンズの卓越したリーダーシップにより空前の高みに達したその演奏/ステージは聴く者を魅了し、とりわけ金管楽器奏者にとっては現在でも永遠のアイドルであり続けている。

(上野の森ブラス Trombone 奏者の花坂義孝師匠が「まさにPJBEの ”追っかけ” やってたんだよ」と懐かしそうにまた嬉しそうに語られていたお顔が印象的で、忘れられない。)


✔金管10重奏による標準編成を確立

ルネサンス時代の古楽からバロック、ロマン派のブラス作品、ファンファーレの名曲、クラシック名曲のアレンジ作品、現代音楽 (武満徹「ガーデン・レイン」もPJBEのために書かれた作品)を含むPJBEオリジナル曲、そしてポピュラー音楽に至るまで実に幅広いレパートリーで聴衆を楽しませた。

ルーツとされる金管4重奏を始め変幻自在の多彩な編成で演奏を行うが、何といってもTrumpet×4、Trombone×4、Horn×1、Tuba×1から成る金管10重奏=PJBE標準編成を確立していた。これによってブラスアンサンブル曲の名作が多数生み出されたことも、忘れてはならない。

✔抜きんでたその魅力

とにかく名手揃い!上掲の5名は看板中の看板プレイヤーだが、それ以外の全員も名手のアンサンブルなのだ。それによって美しく質感豊かな音色が常に聴こえてくるという、贅沢の極致を現出している。

 

そして高い技術だけでなく、多彩な音楽をまさにそれにふさわしい表現で聴かせる高次元の音楽性を伴って奏される音楽が、魅力的でないはずがない。旋律の歌い方、流麗を極めた自然な音楽の流れ、これぞアンサンブルという一体感…音楽の楽しみに必要なものが一切欠けることなく提示されているそのもの凄さよ!

ライブステージでは視覚からも確認できるが、それに加えて演奏が小粋でユーモアに満ち、また奏者は圧倒的な自信と品格のオーラを放ち、各楽曲を完全に手中に収めてまず自らが楽しみ尽くしているその音楽の悦びが-

ガンガン聴く者に伝わって、もはや理屈抜きに感動させられてしまうのである。


■作曲者および楽曲概説

作曲者クリス・ヘイゼルはDECCAレーベルにてマエストロたちが指揮する名録音を数多く世に送り出す録音プロデューサーとして活躍の傍ら、映像関連音楽やブラスアンサンブルに優れた作品を生み出している作曲家である。ブラスアンサンブル作品としては「ゴスペル・ホール」なども人気が高い。

彼自身はこの「猫組曲」について以下のように述べている。

「この曲のインスピレーションを得たとき、私は4匹の猫と暮らしていた。4匹が全く違った個性を持っていたので、それぞれの猫にちなんだ作品を書くというのはいいアイディアだと思った。また「もう3匹の猫」については( 「4匹の猫」から随分時間が経ってしまったが )1つを除いて、その後新たに我が家へやってきた猫にちなんだ作品である。」


どの曲も魅力的な旋律に満ち、金管楽器の音色や機能を活かす一方、ジャジーな或いはゴスペル調の作風で親しみやすく、そのうえ実に品があってシャレている!奏者も聴衆も理屈抜きに楽しめる、とても素敵な作品なのである。


【出典・参考】

“ BRASS CATS ” (KLAVIER K11129) CDリーフレット解説

※以降のヘイゼルによる解説/コメント (「 」 ) も同出典


■楽曲解説 -4匹の猫

Ⅰ.クラーケン (Kraken ♀)

「 ”巨大な” 伝説上の海獣の名前から、ジョークを込めて命名。捨て猫だったクラーケンは私の片方の手のひらで丸まって眠るほど小さかったのだが…。成猫となっても小さいままだったが、他の猫が如何に大きくとも、クラーケンは家中の猫のボスであり、とても長生きして20歳まで生きた。

クラーケンの気取った鳴き声は自らがボスであることを誇示するものであり、そして小さいながらもその威を示す斑点のある尻尾が、彼女の特徴なのだ。

そこでクラーケンを表すこの曲にはフーガを入れることにした。”フーガ” の語源はラテン語の ”尻尾” だから…。」

そもそもクラーケンとは3本マストの帆船をも襲うという大蛸というのが通説とされ、その想像図として「海の怪物 ( Monsters of the Sea;John Gibson著 1887年)」に描かれた

エドワード・エサリントン (Edward Etherington) による挿絵 (左画像) が有名である。

この曲の描くクラーケンというのは小柄な牝猫なのであって、この伝説上のバケモノとは何の関係もないのだが、とても気取って飄々と歩き回るイメージは曲想から窺えたものの、ヘイゼル家の猫社会に君臨する “姉御” 猫であったとは…

私には想像が及ばずとても意外であった。


Tuba のベース音のオクターブ上で Bass Trombone がビートを刻むという斬新なオープニング!初手から鮮烈な印象であるが、そこに高らかな Trombone によるハーモニアスなモチーフ提示が降ってくる。

それに応ずる雷光の如き Trumpet のカウンターが、曲の始まりを一層活気のある華やかで鮮やかなものとしているのである。

 

ほどなくジャジーでノリノリな旋律が流れ出し、おしゃまで気取ったクラーケンが闊歩し出すと、もう堪らなく陽気なムードに包まれる。

(途中、ひと時たおやかなフレーズが挿し込まれるのは、「クラーケンの姉貴」には乙女な一面もあるってことなのかな?などと想像してしまう。)

さて場面転換して始まるフーガはこの曲の ”華”-これがあくまで小品であるはずの曲を、実に奥行きのあるものに仕立てている。

そして最終盤のクライマックスは、もうご機嫌で一層得意げなクラーケンの大闊歩だ!


一瞬静まった後のエンディングは ”very cheekily (とっても生意気に)” と指示のある Trumpetのフレーズと、それに続く全合奏の鮮烈なショットで締めくくられる。



Ⅱ.ブラック・サム (Black Sam ♂)

「雨の降る寒い日曜の朝、窓の外に座ってニャーニャーわめいていたのを家に入れてやったのがこのブラック・サム。これまで聞いたことのある中で一番大きくかつしゃがれた声でのどを鳴らす猫だった。それはまるでゴスペルシンガーがお気に入りの霊歌に没頭しているかのよう。私が抱っこするとブラック・サムはこの ”霊歌” を奏で、やがてそれは彼の性格を反映してか、だんだん気だるいスウィングに変っていくのだ。」

ミュートを装着した Trumpet・Trombone のコラールに始まり、3拍子スウィングの主部に入る。何と暖かな旋律だろうか-カウンターに入る Tuba のフレーズもリズミックでいて包み込むような暖かさがあるのである。

この旋律が移ろい、作曲者コメント通り気だるく”揺れて”いくさまが洵に心地よい。この曲から感じるのは、やはり「雨」のムードでもあると思う。ただ決してうっとりと安寧なムードだけではなく、意を決したように Piccolo Trumpet が現れるやダイナミックなクライマックスを形成し、楽曲に一本芯が通るのだ。


Ⅲ.バーリッジ (Borage ♂)

「バーリッジは4匹の中で一番最後に我が家にやってきた野良猫。若く、エネルギーに満ち溢れていて、家の中や庭を狂ったように駆け回っているというのが日課だった。彼の名は彼がよく潜んでいた庭の植物※ に由来する。可愛そうにバーリッジの寿命はとても短く、車に轢かれて死んでしまった。」

 ※ Borage:和名「ルリジサ」 星の形をした青い花を咲かせる食用/薬用ハーブ


Bass Trombone が Low C 音を ”轟かせて” 始まる鮮烈なオープニング!

そしてこの冒頭からずっと Bass Trombone がリードしていく -こんな楽曲はなかなかない。全曲の中で最もジャズの色彩が濃く、そしてエネルギッシュな音楽だ。

強奏と弱奏のコントラスト、スリリングなリズムとテンションの高まり、音色のスピード感。聴いているとそのカッコよさにどんどん胸が高鳴るのを禁じ得ない。

繰り返されるフレーズがまた更にギアを上げて昂ぶり、応酬しスケールを拡げていくさまに圧倒されるばかり。

最後は束の間の鎮静に続き、Hornの咆哮に導かれた激烈なシンコペーションのフレーズで閉じられる。


Ⅳ.ミスター・ジャムズ (Mr. Jums ♂)

「この猫も元は野良猫で、やせっぽちでズタボロの、とてつもなくひどい状態でどこからともなく現れ、クラーケンからエサを盗もうとしていた。こんな彼は信用がなく、数ヶ月は家に入れてやらなかった。野良猫時代には毛の色に因んで ”ジンジャー” と呼んでいたのだが、それがいつしか ”ジャンブル” に変わり、最終的に ”ミスター・ジャムズ” に落ち着いた。そんな荒んだ過去を持つ猫だが、我が家の猫たちの中で一番心優しいのはこのミスター・ジャムズなのだった。この曲はその優しさを描こうとしたものである。

尚、この曲は4曲の中でも一番人気がある。そこで私はロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールで開催されたPJBEのさよならコンサートのために、この ”ミスター・ジャムズ(Mr.Jums)”をもじった名の曲を提供した。ブラスアンサンブルの有名なレパートリー30曲を織り込んだものだったのだが、その曲名こそは…”ミスター・ジョーン(Mr.Jones)” であった!」

出会いの印象こそ良くなかったようだが、作曲者ヘイゼルが一番好きな猫はこのミスター・ジャムズだったのだろう。その想いが溶け込んでいるように感じられる、まさに ”優しさ” の充満した楽曲である。

穏やかに始まる前奏部では包容力に満ちた Bass Trombone のソロも現れ、続くファンタジックなハーモニーが印象的。Flugelhorn の奏でる旋律はこの上なく抒情に溢れていて、心に迫る。


輝かしく光を放つ終結部はそれまでの曲想とのコントラストも鮮やか。ここで切り込んでくる Piccolo Trumpet の華麗な音色はそれを一層強めている。


最後はオルガン・サウンドの如き重厚なコードが響きわたりエンディングとなる。


■楽曲解説 -もう3匹の猫

Ⅰ.フローラ (Flora ♀)

「フローラは仔猫の時分にゴミ箱の中で見つけた。バーリッジと同じで、彼女は走り回るのが何よりも好き。かと思うと急に止まって眠ってしまい、また飛び起きて走り回るというのを繰り返す。彼女を捜すとたいていは庭の茂みの中にいた。フローラ(花の女神)という名前はそのことにちなんでいる。」

冒頭のリズムは快活なフローラの性格を象徴したものだろう。Piccolo Trumpet が奏でる、跳ねまわるような旋律は活気に満ちており、一層その印象を強くさせる。


そして現れる Trumpet の夢見るようなスィートな旋律 -私は「猫組曲」全7曲を通じてこの旋律が一番好き…!

大きなフレーズで歌われるその抒情には、思わず抱きしめたくなるような衝動に駆られてしまうのだ。

終結部ではこの2つの旋律がクロスオーヴァーして音楽を高揚させていく。


Ⅱ.タビー・マウストラウザー (Tubby Mousetrouser ♂)

「レコードのディーラーをやっている私の友人の猫。この友人はPJBEのとてつもないファンで「4匹の猫」が大好き。そんな彼に敬意を表して、彼の猫をこの「もう3匹の猫」に入れることにした。

名前の由来はよく判らない。「タビー」と「マウス」は直ぐ判るけど、「トラウザー」は?眠ることと食べることが何より大好きな猫なのだが…。」

この曲の猫だけはヘイゼルの飼い猫ではない。”Tubby” とは ”桶のような、ずんぐりした” という意味だから、結構なおデブちゃんなのだろう。^^)

終始幻想的で夢うつつなムードの楽曲は 「眠ることと食べることが何より大好き」 なのんびりした性格の猫を描写していよう。それにしても、この曲の旋律も実に美しく魅力的である。

たびたび現れる鐘の音を模した呼びかけるようなフレーズは、いつも寝惚け眼のこの猫に愛情をもって接する飼い主の声だろうか-。


Ⅲ.ホームプライド (Homepride ♂)

「巨大で、薄いジンジャー色をした猫。ある日の早朝、私の家の台所で勝手にエサを物色しているのを見つけたのが最初。その時、私は小麦粉か何かをかぶったミスター・ジャムズがいるのだとばかり思ったのだが…。

この猫が完全に我が家の猫になった後も、「小麦粉」の印象は残っていたので、イギリスの有名な小麦粉とパンのブランドからとって ”ホームプライド” と名付けた。このホームプライドを従わせることができたのは、やはりクラーケンだけだった。」


ホームプライド” はイギリスのナショナル・ブランドで、その小麦粉のパッケージは左画像 (新・旧) の通り。

(それにしても…つくづく ”クラーケン姐さん畏るべし!” である。 ^^)

この曲はフィナーレを飾るにふさわしい華やかで活気あふれる楽曲であり、16ビートを刻むドラムセットやタンバリンも加わって、全曲中最もポップで生きいきとした曲想を演出している。


中間部には少々憂いを含む洒落たジャジーな旋律も現れ、一味加えているのが、これまた心憎いばかり!


冒頭の快活さを呼び戻してからはいよいよ生気あふれるダイナミックな音楽となり、高揚の頂点でシンコペーションのフレーズを ”スカッ” とキメて爽快に全曲を終う。


 

■推奨音源

2017年の夏、私も遂にこの「猫組曲」を実演する機会に恵まれた。Bass Trombone パートにて「ミスター・ジャムズ」「クラーケン」の2曲をステージで演ることができたのである。

予ての想像通りとても素敵な楽曲であり、洵に楽しい演奏体験であった。しかし実際に触れることのできた幸福感を味わう一方、やはり”聴かせる”のはとても難しい楽曲であるということも実感させられた。

 

今回の演奏に際し、気持ちも新たにPJBEの録音を聴いた。そして聴くたびにPJBEというアンサンブルの変らぬ凄さを、またも痛感することになった。PJBEはそもそも音自体が凄い。質感が充実しているというか、本当に「全て」の音が、一つ一つしっかりと響いているのである。

( ああ、金管奏者の端くれとして、かくありたいものだ。もちろんとても無理だけど、少しでも近づきたい…。 )

そして旋律の歌い方の卓越ぶり…決して淀むことのない音楽の流れ、メリハリの効いたコントラスト -テンポも揺れておりデジタルな凄みがあるといった類の演奏ではないが、PJBEのスタイルにより超高次元で完結したその演奏にはただ脱帽というほかない。PJBEの演奏の前では、どの演奏も大人と子供ほどの落差を感じてしまうのだ。


というわけで推奨音源は断トツで「本家本元」を挙げざるを得ない。

フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブル

 “ENCORES” (アルバム邦題:「アイネ・クライネ・ブラス・ムジーク」)

「4匹の猫」 収録、名手ぞろいの全盛期 PJBE による永遠の名盤!

音色・歌い方・構成感・アンサンブルの見事さと、どれをとっても他の追随を許さない。プレイヤー全員が素晴らしいが、この演奏を聴くとアイファー・ジェームズの Horn やレイモンド・プレムルの Bass Trombone の突抜けた凄さを痛感させられる。

 


尚、「もう3匹の猫」についてはPJBEやロンドン・ブラスの録音がなく、以下を推奨する。


ザ・デンバー・ブラス(The Denver Brass)

「4匹の猫」「もう3匹の猫」全7曲を収録。

チームワークの良さを感じさせるアンサンブルで、「歌心」を大切にした演奏である。

 

 

 

 


 

 

ジュネス・ミュジカル・ワールドオーケストラ・オールブラス・アンサンブル

(All-Brass-Ensemble Jeunesses Musicale World Orchestra)

こちらも「4匹の猫」「もう3匹の猫」全7曲を収録。とても小気味良い、リズム感溢れる演奏。

メリハリがハッキリしているが、ややニュアンスを欠くか。

 


 

 【その他の所有音源】

シンフォニア・ヴァルソヴィア・ブラス (「三匹の猫」)

-Epilogue-

「もう3匹の猫」ではThe Denver Brassも、All-Brass-Ensemble Jeunesses Musicale World Orchestraもともに健闘している。この曲の魅力は充分伝わるであろう。


しかし、である。

この「もう3匹の猫」においても、フィリップ・ジョーンズやジョン・フレッチャーのいた、全盛のPJBEの演奏が存在したなら…。

 

-と、無いものねだりをしたくなるのは、決して私だけではあるまい。

 


  <Originally Issued on 2006. 6.13. / Overall Revised on 2017.9.6. / Further Revised on 2023.11.5.>



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